表と裏

近所に新築アパートが建つ。
コンクリートを流すダンプカー、土を掘り起こしたものを持ち去るダンプカー、基礎を作るためのコンクリートのブロックや配管を運んでくるダンプ、「ドカン、スカン」騒がしい。
個人の一戸建てと違い短期間で打建ててしまうため一気にその期間は出入りが激しい。
しかし、ある時間になるとその喧騒が静まる。
おじゅうじ、おひる、になると、人間がしていることだものお腹が空く。

職人さんの弁当は大きなクーラーボックスが定番だ。
青い色で手提げの持ち手がついている。
飲み物、サンドイッチ、頬張る姿に、「ああこのひとたちも誰かのこどもなんだな」と、妙に納得する。
無防備と言うか、荒々しい所作とは対照に、小さなひとになってしまうから。

交通整理人もいない現場で他の交通の妨げになろうが、横暴に道路に横付けしないと、道の真ん中で切り返ししてバックで入らないと重たい資材を運べない・下ろせないとか。
本当にこんな現場に出くわすと、「チッ」と、舌打ちして憎々しげに思ったりする。
そんなぶっきら棒な大の男がうれしげに弁当を広げる。
それまでの「早く終わって行っちゃってよ」と言う気持ちとは反対の母心なるものが滲でくる。

一度、我が家建築時に職人さんのクーラーボックスを見せてもらったことがある。
サンドウィッチ!茶色のスライスしたパンにサラミ、ハム、ゴウォダーチーズ、サラダ(レタスのこと)、
〆は甘い乳製品、EUの種類豊富なヨーグルト製品を日替わりで見る楽しさったらなかった。
もれなくチョコレートも。
男なのに!って。

弁当の時間が切なくなるのはなぜか。
それを詰めてくれる母の姿を思い起こすからだ。
自分を想ってくれる誰かをその度に想い起こすから。
おかずの品とかキャラ弁には関心が無い。
白いごはんに梅干しの海苔の塩辛いのに私は弱い。

あと、どれくらい掛かるのか。
静けさが戻るのを願いつつ、今日も現場に通う作業員を見つめる。


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by stanislowski | 2017-08-04 15:20 | Comments(0)